母乳に関して、「乳」というタイトルでNHKのヒューマニエンスで放送されていました。ご覧になりましたか？織田裕二さんが出ている番組です。私はたまたま録画されていたので観たのですが、なかなか面白い内容でした。
ラクテーションコンサルタントの方も出演されていて、神秘の液体である母乳のすばらしさを改めて学べました。
母乳には栄養だけでなく、免疫も含まれていると言われていますよね。ですが、もともとの乳腺、つまり母乳育児中以外の乳房には、免疫細胞は無いのだそう。では、どうして赤ちゃんに移行するのでしょうか。それは、母親が授乳中に腸から免疫細胞を借りてきて、乳腺に呼び寄せているからだそうです。そのため免疫が母乳中に分泌され、赤ちゃんに移行するというわけです。そんな魔法みたいなことができるなんて、母親ってすごいですよね。免疫システムについては複雑なので、またいつかおさらいし直すことにします。
ところで、母乳は血液からできているのですが、白いですよね。赤くないのは赤血球が無いからなんです。ヒトの母乳は88％が水分で、あとは、脂質、糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、そして細胞から成っています。母乳が牛乳やほかの動物のお乳よりも甘いのは、糖質が多いから。ヒトは脳が発達していて、脳には糖が必要なので、ヒトの母乳は甘いんです。そして、赤ちゃんは甘いものを好むのです。生きるための本能ですね。
母乳が血液からできているということは、母親が食べたものが母乳になります。なので、私はお母さんたちに、「赤ちゃんに食べさせたいものを食べるようにしましょう。」と伝えています。
ちなみに、時々「乳腺炎にならないためには、どんな食べ物に気を付ければいいですか。」と聞かれます。けれど、実は、これを食べると乳腺炎になります、といったものは無いんです。ただ、ケーキをたくさん食べて乳腺炎になったという方が実際にはいらっしゃいます。が、これは、その時の体調や授乳間隔などの生活リズムが影響しているため。油や糖分の多いものを食べてはいけないというわけではありません。もちろん、何事もバランスは大切ですのでお忘れなく。
また、赤ちゃんは母乳を通じて文化を学んでいると、番組でも言われていました。確かにその通りで、赤ちゃんは、母乳からいろんなことを学び取っています。そして、グルメです。鼻がいいんです。
お母さんが食べたものは母乳中ににじみ出ますが、例えばにんにくや玉ねぎなど匂いの強い食材を食べると、母乳の味や匂いが変化するのがわかります。色も、カロチンの多いものをたくさん食べると、オレンジ色っぽくなります。葉緑素やビタミン剤などでは緑色っぽくなり、赤かぶでピンク色っぽくなるなどが知られています。また、チョコレートや抹茶など、お母さんがカフェインの多いものを摂り過ぎると、赤ちゃんにもカフェインが移行します。そのため、興奮して寝つきが悪くなります。
同様に、ホルモンも移行します。つまり、メラトニンなどの睡眠ホルモンが母乳中に移行するので、お母さんが眠くなると赤ちゃんも眠くなります。ただ、最初は、お母さんは眠いのに赤ちゃんが全然寝てくれない、というパターンも多いかもしれませんね。赤ちゃんの昼夜の区別は2～3か月するとつくようになってくると言われています。ですので、赤ちゃんとのリズムがつくまでは大変かもしれませんが、休息をとりながらも朝日を浴びるなどして、お母さん自身の体内リズムを整えてあげてくださいね。（メラトニンのことはラベンダーの投稿でも触れていますので、ご参照ください。）
また、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンなども母乳を通して赤ちゃんに移行します。母体のオキシトシンは赤ちゃんがおっぱいを吸ったりすることで増えますが、さらにそれを赤ちゃんが飲むともっと増えるというように、相乗効果が絶大です。お母さんが幸せだと赤ちゃんも幸せで、そのことがさらに幸せを招く、という具合です。お母さんの感情は、母乳を通じてダイレクトに赤ちゃんに伝わるんですね。ストレスホルモンやマイナスな感情ももちろん伝わってしまいます。ですので、お母さんが穏やかで幸せな気持ちでいられることはものすごく大事なんです。
もちろん、母乳を介さずとも赤ちゃんとお母さんは通じ合っています。ですが、よりダイレクトに幸せな感情が注げるのであれば、どんどん注いであげて欲しいと思います。
クラリセージの効能
②分娩時の痛みの軽減
③筋肉痛
④痙攣
⑤頭痛
⑥咳・のどの痛み
⑦頭皮や肌には皮膚の感染症を抑え、肌を引き締める
⑧消化力の低下
⑨ガスのたまり
⑩精神的緊張、恐怖感
⑪浮腫
※妊娠中や月経が重い時、運転前やアルコール摂取時は避けた方が良い精油です。
